ネオス株式会社 ヘルスケアソリューションhealth care solution
ネオス株式会社 ヘルスケアソリューション

PEOPLEスタッフ紹介

古田 恵一Keiichi Furuta

マラソンの趣味が高じて「Garmin ForeAthlete935 サロマモデル」のアプリ開発へと至る

開発担当。米国事業推進室を経てヘルスケアサービス部に所属。アメリカで勤務していた頃からランニングを習慣とし、2016年に初のウルトラマラソンに挑戦。「Garmin×四万十川ウルトラマラソン公式チャレンジャー」企画でチャレンジャーに選ばれたことをきっかけに、ランナー目線で独自にGarminのプログラムを開発したことが評価され、2017年サロマ湖100kmウルトラマラソン用に作られた「Garmin ForeAthlete935 サロマモデル」のアプリ開発を担当する。

ネオスのヘルスケアサービス部には、今回ご紹介する古田さんのように、「趣味が高じてサービスを作ってしまった」人や「サービスを作っていくなかで趣味になり、どっぷりハマってしまった」人がチラホラ(!?)見受けられます。そんな人たちの“ちょっと変わった”インタビュー。ヘルスケア分野で長くサービスを作ってきているスタッフたちの、アツい思いをお届けします。

INTERVIEW

Garmin用に作った最初のプログラムは「カウントダウン機能」。その理由とは?

──そもそも、なぜランニングを始めたのでしょうか?

家族旅行で写真を撮ったら、自分が太っているってことに気がついて、「これはいかんな」と。それで「走ろう」と思ったんですが、ランニングシューズを買いに行くまで3ヵ月かかって、買ってから履くまでにさらに半年ぐらいかかって(笑)。それでようやく走り始めました。

──初めて出場したマラソン大会は?

2015年の「サンスポ古河はなももマラソン」というフルマラソンですね。ネオス内にヘルスケアサービス部を中心に活動しているランニング部があって、そのメンバーで出場しました。

──初めてフルマラソンの大会に出てみて、どう感じましたか?

結構キツいんですよね。3時間50分くらいで走ったんですけど……30キロとか35キロぐらいになるとだんだん疲れてくるし、走ることに飽きてきて、「なんで走ってるんだろう? 休憩したいなあ」って思うようになるんです(笑)。そういった弱い自分と、ひたすら向き合っていく時間なんですよね。ちょっとでも気を緩めると、歩いちゃいそうで……それがすごい辛かったので、我慢して我慢して、自分に負けずにゴールすると、かなり気持ちがいいんですよね。

──そして2016年の四万十ウルトラマラソンに挑戦することになる…。

東京マラソンを走ってから、10月の四万十ウルトラマラソンに出場しました。四万十も会社のみんなで申し込みましたが、僕しか当たらなかった。「ひとりだけって寂しいな」と思っていたら、「Garmin×四万十川ウルトラマラソン公式チャレンジャー」という企画(初めての100km完走を目指し、自分と戦うチャレンジャーを応援する企画)があるのを知って……「完走に向けて、背中を押してもらえるかな?」と思って申し込んだら、3名のチャレンジャーのうちのひとりとして選ばれました。

──その後、Garminのプログラムを作ることになったんですね。

そうですね。始めに、GarminのGPSウォッチがチャレンジャーに配られるんですけど、「プログラムができるんだ」と思って、四万十ウルトラマラソンまでの日にちをカウントダウンする機能を作りました。

──なぜその機能が必要だと思ったのでしょう?

いちばんはじめの練習会のときに、「四万十ウルトラマラソンまで、あと何日かを書いてください」ってコーチから言われましたが……そんなの、パッとわからないじゃないですか? でもそれってじつは、マラソンにはすごい大事なんです。

──というのは?

マラソンって、レースまでの日数を逆算して、「あと何日だから、いまはこれをやろう。あと何日になったら、あれをやろう」っていう、リスクマネジメントなんですよね。「あと何日」ということをつねに意識して、準備して、リスクをひとつひとつ潰していくのがマラソンには大事というお話を聞いたので、さっそくプログラムを作って、ほかの参加者にも配りました。

「どこまで頑張ればゴールに着くのか」明確な答えがあるマラソンは成功体験を得やすい

──そうして臨んだ四万十ウルトラマラソン、本番はいかがでしたか?

僕、枕が変わると寝られないんですよ(笑)。それなのに、試合の2日前に現地入りしちゃったので、2夜連続で寝られなくて。当日に雨が降ってテンションも下がるし、スタート前にサングラスを失くすっていう(笑)。散々で、もうなんだか落ち込んじゃいました。

──レース展開も厳しかったそうで。

四万十ウルトラマラソンって、はじめの25キロくらいが山登りで、残りはゆるやかに下っていくかんじなので、最初の山さえ頑張れば、なんとかいけるかなあと思っていたんです。でも……その最初の山って、15キロくらいから急激な登りになるんですね。そこで足を使いきっちゃって(笑)。「まだ20キロちょっとしか走ってないのに、足が空っぽだ。やばい! しかも2日寝てない!」とかって、マイナスなことばっかり考えて、メンタルがやられちゃったんですよね。

──走り終わっていかがでしたか?

長かったなあって。フルマラソンを4時間きっていたので、「それぐらいの走力があれば、ウルトラマラソンで走れますよ」って言われていたのもあって、「ちょっと練習すれば大丈夫かなあ?」って思ってたんですけど……20キロぐらいで足が空っぽになってから、10時間ちかく走らないといけないので大変でしたね。

──なぜ、そこまでの思いをしながら走るのでしょうか?

最初のトレーニングで言われたのが、先ほどの「あと何日」という話ともうひとつ、「なんのために走るか」ということなんです。「なんのために」がわかっている人は、辛いときでも頑張れる。なにかのために頑張っていると、それを力に変えることができるんですよね。それが、より明確であればあるほど力になりますよって言われたんです。

──古田さんの場合は、「なんのため」だったのでしょうか?

じつはそのとき、ぱっと思いつかなくて。「家族のために健康でいることが大事かなあ? つまりは家族のためかな?」とかって思って。それで、「家族のため」と思って走っていましたが、あそこまで辛いと、「こんなの頑張らなくても、べつに健康になれるし」って思い始めるんですよね(笑)。さらに、「家族のために走るって言いながら、家族を置いてきて、なんか違うんじゃないかな?」って思って、全然元気が湧いてこなくて。「やっぱりこの設定、間違ってたなあ」と(笑)。それからずーっと、「なんのために走ってるんだろう?」って考えながら走っていました。

──レース中に、その答えは出ましたか?

それが出なかったんですよ(笑)。それで、マラソン本を片っ端から読んでみました。どの本にも「なんのために走るのか」みたいなことが書いてあるんですが、なんとなくピンとこないんですよね。「すごい楽しい」みたいに書いてあるんだけど……「いやあ、こないだのレース、そんなに楽しくなかったしなあ」とか思って(笑)。

──やっぱり見つからない?

それでも、なんとなく「これかな?」って思ったのが、ひとつあったんです。トレイルランナーの第一人者の鏑木毅さんが、UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)に出たときに、すごい辛くて、やめたくなったらしいんですよ。でも、普通にリタイアしたら、「鏑木がリタイアした」って世間から思われちゃうなあって悩んで、「ここで足をくじいて、あの岩に頭をぶつければ、さすがにみんな“しょうがない”って思ってくれるだろうなあ」とかって考え始めたらしいんです。それで「あー、俺もそれに近いこと考えた!」って共感して(笑)。

──(笑)。そんなこと思ったんですか?

「グキッといかないかな」とか(笑)。不可抗力でリタイアしたいと思ったんですよね。でも鏑木さんは、「そんなことをしたら、良くない」とふと思ったんだそうです。何に対して良くないかっていうと……自分なんですよね。「いままで生きてきた鏑木毅って、こんな人間だったっけ? そんな人間じゃないだろ!」って自分を鼓舞して、奮い立って。そうしたら、力が湧いて完走したっていう話が書いてあって。「あ、それだな」と思ったんです。

──なるほど。

先ほどのフルマラソンの話で、「自分の弱い心と戦う」みたいなことを言いましたが、それが楽しいのかもしれないと。生きているなかで、そんなに試練や辛いことってないし、ゴール設定が明確なことってないじゃないですか。どこまで頑張ればゴールなのか、わからないことだらけだから(笑)。マラソンって、それが意外と身近に、気軽に楽しめる。自分を辛い目に追いやって、達成感を味わって、解放される。それがやっぱり楽しいのかなあって思いますね。

インターネットのゲートウェイがどんどん細分化されてくる今後が楽しみ

──そして、新たなチャレンジ向けて、サロマ湖100kmウルトラマラソン用に作られた「Garmin ForeAthlete935 サロマモデル」のアプリ開発を担当されたということで…。

「新しく出るGarmin ForeAthlete935の、サロマモデルを作りたい」というお話をいただいて。935の通常モデルのバンドは黒か黄色ですが、サロマモデルは青いバンドなんですね。サロマ湖がきれいな青色で、“サロマンブルー”と呼ばれているので。さらに、中身もカスタマイズしようということで、サロマウルトラマラソンまでの日数をカウントダウンしたり、サロマの写真が見られる機能をつけることになりました。

──まさにサロマのウルトラマラソンに適したモデルですね。

カウントダウン機能も、今年のレースが終わると自動的に、来年のレースに向けてカウントダウンするような仕様にしました。サロマ湖100kmウルトラマラソンを10回完走すると、「サロマンブルー」という称号が与えられるということもあって、リピーターが多いんですね。だから、今年終わったら次の年、次の年が終わったらまた次の年って、カウントダウンする機能があると、サロマのウルトラマラソンが大好きな人にとって、より良いものになるんじゃないかと思いました。

──今後作ってみたいサービスや、挑戦してみたい開発などはありますか?

僕はやっぱりガジェットが好きなので、ウェアラブルなものとヘルスデータを組み合わせたものとか、IoT的なものを作りたいですね。アプリで設定した時間にカーテンがあく「めざましカーテン mornin'」というのがありますが……やっぱりモノが動くと楽しいですよね。僕がプログラムを書き始めたのも、画面のなかでモノが動くのが楽しかったからなんです。それが最近はリアルにモノを動かせるようになってきたので、すごい楽しいです。

──ほかにも、なにか気になるものはありますか?

音声認識ですね。GoogleホームやamazonのAlexa、AppleのHomePodなど……インターネットのゲートウェイって、いままではパソコンかスマホでしたが、音声端末もインターネットの入口なんですよね。声を介してインターネットに行って、必要なものを調べて返してくれる。これからはそうやって、インターネットのゲートウェイがどんどん細分化されてくると思います。

──たとえば?

白杖もIoT化すると、白杖自身がインターネットのゲートウェイになって、たとえば道案内をしてくれたり、階段のアリ・ナシを教えてくれたりすると思うんですね。たぶんこれからの開発って、パソコンやスマホのアプリを作る、サービスを作る、webを作るっていうことではなくて、シチュエーションに応じていろんなものをゲートウェイ化するところから考えるようになっていくと思うんです。

──2017年、サロマ湖100kmウルトラマラソン頑張ってください!

はい。自分との戦いになると思います。四万十ウルトラマラソンでは、弱い自分と戦うことすらできなかったので。「自分が納得のいくレースにならなかったから、すごい悔しい」ってヘルスケアサービス部の星野部長に言ったら、「悔しさのスタート地点にようこそ」って言われて(笑)、「みんなそうなんだ」って思いましたね。悔しい思いをして、また1から始める。だからゴールはないんです。つねにまたスタートなんですよね。

※古田さんのサロマ湖100kmウルトラマラソンの挑戦は、残念ながら、ゴール手前14kmのポイントで低体温のためリタイアとなりました。またスタート地点に立った古田さんは、次の挑戦に向けて進んでいるようです。

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