ネオス株式会社 法人向けソリューションbusiness solution
ネオス株式会社 法人向けソリューション

実績紹介

クライアントインタビュー

予約システム開発実績

豊富なナレッジのおかげで、
選択肢が広がりました
全日本空輸株式会社

全日本空輸株式会社
マーケティング室
マーケットコミュニケーション部
デジタルマーケティングチーム
辻はるか様

2015年4月12日にリニューアルされたANA国内線・国際線インターネット予約システムについて、ネオスは主要画面のUI設計、デザイン、コーディング、フロントエンド実装を担当しました。今回、プロジェクトをご担当された辻様に、ネオスとの取り組みやプロジェクトへの思いについて、お話を伺いました。

インターネット予約システム開発実績

誰でも簡単に操作できるWEBを目指す

─ 今回、ネオスがお手伝いさせていただいた案件について教えてください。

ANA国際線航空券予約システムのホスト移行にともない、予約の申し込み導線や画面設計を含めたリニューアルを、約10年ぶりに行なうことになりました。そこで、ネオスさんにはリニューアルに向けてのプロジェクトマネジメントとUI改善をお願いしました。要件や課題をお伝えし、検討を始めたのが2013年4月頃です。それから約半年かけて、ANA、システムを担当するASY(ANAシステムズ株式会社)、ネオスさんの3社で毎週数時間に及ぶ打ち合わせを行ない、議論を重ねていきました。

─ 今回のリニューアルで、まずいちばんに解決されたかったことは何でしたか?

シンプルさを追求して、誰でも簡単に操作できるWEBを目指すことが、今回のリニューアルにおけるいちばんの課題でした。国際線ネットワークの拡大が進むなか、日本を含めた世界のあらゆるお客様に対して、わかりやすく、できるかぎりストレスがかからないようなお申し込みフローを提供したいという想いがありました。

─ 「シンプルさの追求」とは、具体的にはどういった内容でしょうか?

「デザインとUI」、「画面ステップ」、「情報量」という3点において、それぞれ課題がありました。「デザインとUI」については、見栄えや使い勝手の改善です。「画面ステップ」については、たとえば海外の航空会社ですと、予約から購入までを8~9ステップ(画面)で完了させているところが多いなか、弊社は15ステップありました。これを半分程度に減らすための改善を検討しました。「情報量」については、これまで網羅的に表示されていた情報を整理・再構成し、必要な情報を最適なタイミングでお客様に提供できるように、設計を見直しました。

ロジカルで明確な説明があったからこそ、判断する時間を短縮できた

─ それらの大きな課題があるなかで、どういった段取りでプロジェクトを進めていかれたのでしょうか。

まず、スケジュールも含めてネオスさんにプロジェクトを管理していただきながら、議論すべきさまざまな課題について、モバイルの課題、汎用性・更新性の課題、シンプルさの追求、外部環境変化への柔軟な対応……といったように分解し、プロジェクトメンバー内で認識を合わせました。そうして一通り課題が出つくした時点で、ネオスさんより「主要な画面から構成し、展開していく」手法をご提案いただき、プロジェクトは次の段階へと進みました。

その手法を採用することとなり、まずはテンプレート化するための親となる画面を決め、なかでも特に主要となる画面から議論し、効率的にプロジェクトを進めることができました。そういった技術的な観点での設計をご提案いただいたのは、非常に有意義だったと思います。

─ 150画面を主要な30画面に絞って、モジュールの組み合わせとして設計していったそうですね。そうやって解決できるというイメージは……。

概念図:モジュールの組み合わせとして設計

正直なところ、ありませんでした。技術的な観点で、これらの多くの課題をどういった段取りで解決していくべきかイメージできていなかったので、モバイルやWEBに関してのナレッジがあり、新技術も積極的に取り入れていらっしゃるネオスさんにサポートしていただいたことで、選択肢が広がる場面が多々ありました。

ほかにも、我々からの要望や問い合わせに対して、ネオスさんはロジカルかつ明確に「できること」と「制限をうけること」を説明してくださいました。ASYとシステムやロジックについての情報を共有・連携しながら、「可能だけれども更新性が下がる」、「一部のブラウザで制限やリスクをともなう」、「UIデザインの観点から、今回は行なうべきではない」といった具合に、我々が納得できるように説明してくださったのです。技術的な観点のみで「できない」と言うのではなく、お客様にとってなぜ適切ではないのか、というUIデザインや情報設計の観点からもご意見をいただき、議論や決定のプロセスに費やす時間を短縮できたように思います。

─ プロジェクト管理についてはいかがでしたか?

2年以上も前からリニューアル日程が決まっていたなか、前工程の遅延などもあり、本工程に割ける時間には限りがありました。それでも、決定すべき事項や進めるべき作業についてひとつひとつ期限を設け、徹底したスケジュール管理を行なっていただいたことで、安心してお任せすることができました。そういった信頼があったので、議論の末に煮詰まっても、「我々の要件を咀嚼して、次回の打ち合わせまでにきっと何か良い提案を生み出してくれるだろう」と期待を持つことができました。決して丸投げしていたわけではありませんが、ご担当者おひとりおひとりの知見や力量を信頼していたからこその期待だったと思います。

業界外だからこそ、お客様目線に引き戻してくれる

─ リニューアル前と大きく変わったと実感されたところはどこでしょうか。

リニューアル前は要素が多かったため、画面が長く文字が小さいなど、けっして見やすいとは言えない状況でした。それはなぜかというと、国際線を予約するにあたり、「お客様に確認すべき事項やご案内すべき事項を、すべて表示すること」が最優先であったため、それらの情報が最初に羅列され、お客様がいちばん見たいであろう運賃の値段や旅程の情報が押し下がっていたからです。

今回のリニューアルでは、これらの情報を「画面の目的」と「この画面にたどり着いたお客様のメジャーなシナリオ」に応じて、デフォルトで表示すべき案内とそうでないものを振り分け、画面ごとに適切に配置していくように設計しました。そうすることによって、いままでのような、同じ情報や似通った情報が何度も表示されるということがなくなり、より重要なものをメリハリをつけて表示するように改善できました。お客様にとってはシンプルで使いやすいサイト、我々にとってはお客様にお伝えすべき内容を最適なタイミングで表示できるサイトが実現したということです。

─ 企業としては、大事なことはすべて載せておかないといけないという事情があると思うのですが、今回のように、情報に優先順位をつけて表示していく手法をとることに対する決断は、とても難しく、大変だったと思います。

ありがとうございます、おっしゃるとおりです。それでも、みずからの意識や社内の認識を変えて、「最適な情報提示」について突き詰めて考え整理するのには、非常に良いタイミングでもありました。

─ いくらUIが良くなるからとはいえ、御社のご協力やご決断がないと、たぶんそこは通らなかったと思います。

そうですね。これまでは、運賃を伝えたい部門、空港での待ち時間を減らしたい部門、マイレージの魅力を伝えたい部門といった、多くの関連部門の想いを整理しきれなかった結果、情報を羅列して掲載することになり、お客様に「わかりやすい」と感じていただけるようなサイトには成り得ていなかったように思います。

ですから、今回のリニューアルでは、企業として伝えたいことを整理し、なによりも「お客様目線」にこだわりました。たとえば、予約の検索をされるお客様は、いま買える安いものや、自分の条件に合うものを最短距離で探し、購入に進みたいとお思いになるはずです。そのタイミングで、パスポート情報を入力いただいたり、ご搭乗日の空港での注意事項を確認いただいたりするのは適切とはいえません。

予約導線では購入までをシンプルに進めることに注力し、購入前にかならずお伝えしなければならない情報と、購入後からご搭乗までに確認いただきたい情報を整理し、配置を見直しました。これらは私が所属するマーケットコミュニケーション部がオーナーとしてポリシーを作成し、その考えにもとづいて、各関連部門と調整していきました。

─ 関わっている各部門のみなさんの「絶対良くしよう」という思いや熱意がないと、御社の規模を考えると、ここまでの変更はできないと思います。

そうですね。考え方の整理についてもネオスさんにご提案いただいたり、説得材料を作っていただいたりしました。社内には航空業界に長くいるものが多いため、我々にとっては当たり前のことでも、一般のお客様にとってはわかりにくいことが多々あるということを理解・認識し、お客様目線になることが重要でした。その点に関してはネオスさんからも「それは僕たちにはわかりません」といったようにお声をいただいて、その都度、お客様目線に引き戻していただきました。

これでようやくスタート地点。情報のパーソナライズ化が今後の課題

写真:アプリ使用イメージ

─ 今回のリニューアルに関して、現状での数値的な効果を教えてください。

まず、弊社の国際線のネットワークが増えたことで便数が増え、サイトに流入するお客様の数も増えているというのが前提です。それをふまえて、リリースした4月から2ヶ月経った現在、コンバージョンレート(成約率)は2~3%上昇しています。この数字は想定以上でした。というのも、流入が増えるとコンバージョンは落ちる傾向がありますし、リニューアル直後はUIが変わって操作がわからず離脱するお客様が出てくるので、コンバージョンが落ちる可能性もあって、横ばいか微増を想定していたからです。そんななかでもしっかり上昇しているので、ネオスさんにサポートしていただいてできた、シンプル化した画面ステップと画面要素、UIによる効果ともいえるのではないでしょうか。今後も深堀分析を進めながら注視していきたいと思います。

現時点ではPCサイトを利用される方が圧倒的に多いため、モバイルについては動きがまだ顕著ではありませんが、一方で、モバイル比率は年々上昇しています。稼動前と稼動後を比べても、モバイル比率自体は上がっているので、モバイルについても強化・改善を進める必要があります。もちろん、今回のリニューアルが到達点ではなく、「ようやくスタート地点に立てた」という思いです。

今後もお客様からのお声や、ユーザ行動データなどの分析を進め、より使いやすいサイトとなるよう改善を重ねていきたいと考えています。

─ 今後の展望について、差し支えない範囲で教えていただけますか。

いくつかありますが、まずは「モバイルファースト」です。それから、デバイスを感じさせないようなインターネットサービスの設計。すなわち、どこで見ても同じ情報が得られ、同じ案内を受けることができるシステムづくりを、デジタルのみならず、たとえば空港での係員との会話といった顧客体験におけるすべての側面で提供していくことが必要だと思います。

それらを実現するためには、情報のパーソナライズ化や、レコメンドの強化といった部分が大きな課題になります。ABテストやパーソナライズによって、ひとりひとりのお客様のニーズに合った、最適な顧客体験を実現する。技術的なハードルは高いものの、そのぶん得られる効果も高いと考えます。また、今後ますます各社しのぎを削り、強化していくであろうデジタルにおける顧客体験向上の分野において、新たなテクノロジーに遅れることなく適応していく。汎用性の高い基盤を作っていく、などが重要と考えています。

デジタルマーケティングへの挑戦

WEBに関わる仕事をしてからは6年ほど経ちますが、デジタルマーケティングに関わり始めたのは最近です。今回、大きなリニューアルに携わるなかで勉強していったUIやデジタルマーケティングですが、個人的には非常に面白い分野だと感じましたし、今後さらに注目が高まっていく分野だと思っています。まだ取り組み途上ではありますが、やればやるだけ発見がありますし、可能性を感じます。

デジタルの世界においては、新しい技術が生まれることによって、世の中の流れや概念が変わったり、サービスやお客様との接し方にも新しい可能性が生まれてきます。今後ともネオスさんには、デジタルを活用したアイデアや、データに裏づけされたUI構築など、先進的なご提案を期待しています!

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